「ベース」という楽器について知ろう
みなさん、「ベース」がどのような楽器かご存知ですか?
このベースという楽器。
バンドでリズム隊としてドラムとノリを出したり
オーケストラで豊かな低域を響かせたり
時には、ジャズで軽快なリズムを生み出したりします。
まず知っておかなければならないのは西洋からきたこの弦楽器。
大きく分けて「アコースティックベース」と「エレクトリックベース」の2つがあります。
どちらも基本的には弦が4本ですが、
中には5〜6本使われる場合もあり「多弦ベース」と呼ばれます。
楽器の特徴としては
主に低音域の音を発し、アンサンブル全体を支える役目をします。
これから様々なベースの種類についてご紹介します。
「ベース」の種類について知ろう
先ほど紹介したようにベースには
大きく分けて「アコースティックベース」と「エレクトリックベース」の2つがあります。
ではその中でもさらに詳しく見ていきましょう。
プレシジョンベース
概要
1951年にフェンダー社から発売。
今では他社からもプレシジョンベースタイプとして数多く生産されている。
フレットによって正確(プレシジョン)な音程が出せることから名付けられた。
特徴
ジャズベースに比べるとネックが太く丸い。
ピックアップと呼ばれる音を拾う部分がジャズベースには2つあるのに対して
プレシジョンベースは1つ(1箇所)になっている。
ジャズベースに比べて
レンジ(帯域)は狭いが、パワーや音圧があり力強いサウンド。
音の特徴として「プクプク」「ブリブリ」などといった表現をされる事が多く
トーンをしぼると温かみのあるサウンドになる。
スラップ奏法ではガツンと抜けるサウンドにもなりバンドの主役にもなる事ができる。
ジャンル
ピック弾きでロックに使用されることも多く
バンドアンサンブルの中で遺憾無く存在感を発揮する。
ジャンルに縛られずプレべのサウンドにこだわって使用するベーシストも数多く存在する。
プレジションベースを好んで使用するベーシスト
ハマ・オカモト氏と54-71のBOBO氏によるセッション動画。
様々な奏法でプレべらしいサウンドが聞けます。
ジャズベース
概要
1960年にフェンダー社から発売。
プレべ同様、他社からもジャズベースタイプとして数多く生産されている。
「ジャズベース」と呼ばれるがジャズのみならずポップスやロック、
その他様々なジャンルで使用される。
特徴
プレシジョンベースに比べるとネックが細く握りやすい。
ピックアップはフロント側とリア側にシングル・コイルが2つ付いているのが特徴。
ジャズベースに比べて
レンジ(帯域)が広く、アンサンブル全体を包むような温かいサウンド。
プレべに比べてパワーは小さく繊細。
音の特徴として「ジャリジャリ」「バキバキ」などといった表現をされる事が多い。
スラップ奏法では高音に伸びのあるサウンドになる。
ジャンル
2つのピックアップを調整する事により色々な音作りができ、
プレべに比べてオールジャンルで活躍できる。
言わずと知れたアメリカのベーシスト、マーカス・ミラー氏が日本に訪れた際の演奏。
4弦ジャズベースを使用しています。
彼の特徴とも言えるグルーヴの効いたスラップも非常に心地いいです。
多弦ベース
概要
名前の通り弦の数が基本的な4本よりも多いベースの総称。
5〜6本が主だが稀に8本の多弦ベースを使用するベーシストも存在する。
特徴・ジャンル
当たり前とも言えるが4弦に比べてネックが太く、質量も重くなる。
ネックの強度をあげる為の加工がなされるためダークでタイトなサウンドになる傾向がある。
音域が拡大するため主にジャズやフュージョン系のセッションで使用される。
メリット
多弦ベースを使用するメリットとしては
・音域拡大によるセッションでの対応力が向上する。
・より重厚かつパワフルなサウンドが得られる。
などがあげられる。
デメリット
逆にデメリットとしては
・重量が重い
・パーツや弦の値段が高い
・種類や本数が少ない
などがあげられます。
サザンオールスターズ、奥田民生等のレコーディングやライブをロックなベースプレイでサポート、CoccoやGRAPEVINEを世に送り出し、くるり、aiko、miwa等をプロデュースしたベーシスト/プロデューサー根岸孝旨氏による5弦ヴィンテージ・フェンダー・ジャズベースのプレビュー動画。
繊細なタッチと演奏がジャズベースとマッチしており
プレべサウンドとの違いがハッキリわかりやすいです。
フレットレスベース
概要
名前の通り、指板上にフレットがないベースの総称。
それ以外に構造上の大きな違いはなく フレットはないものの
目印となるラインが書かれているものも多い。
アメリカのベーシスト、ジャコ・パストリアスが改造したフレットレスベースを使用していたことで
フレットレスベースとして確立し広まった。
特徴
より高度な演奏技術を求められるが
とても豊かな表現力をもち、柔らかく滑らかなサウンドが特徴。
音程の変化がさせやすいため
ビブラート奏法、特にヴァイオリン属と同様のクラシカル・ビブラートが多用される。
また、フレットがないためスライドやベンドを多用した演奏法も多用される。
ジャンル
楽器の特性上、ロックではバラードを除いてあまり使用されない傾向にある。
フレットが存在しないため平均律以外の音律を表現できることから
西洋音階を使用しない民族音楽で使用されることが多い。
フレットレスベースといえば1番に出てくるベーシスト「ジャコ・パストリアス」
第一人者である彼の演奏は40年以上前ながら色褪せないです。
一聴してわかるフレットレス特有のサウンドを確かめてみてください。
(※2:45からのハーモニクスは圧巻です。)
アコースティックベース
概要
見た目の通りアコースティックギターのベース版ともいえます。
弦は4本でエレキベースの奏法をそのまま生かすことができます。
特徴
アコースティックなサウンドでアコギ同様、生音でも大きな音がなるので
アンプを通さずに豊かな響きが得られます。
ただ、ドラムやエレキアコースティックギターなどとアンサンブルする際には
音量で劣ってしまうのでマイクで音を拾うなどの必要があります。
ジャンル
主にポップスやバラード向き
アコースティックなサウンドで統一する際にエレキベースに変わって使用される。
電気的音量増幅を必要としないアコースティックならではのサウンドが得られるため
アコースティックなライブでぜひ使いたい。
ウッドベース(コントラバス・ダブルベース)
概要
ヴィオラ・ダ・ガンバ(通称ヴィオラ)の最低音域楽器である
ヴィオローネという楽器が直接の先祖に当たり派生した低音域をもつ弦楽器。
特徴
全長は約170 – 200cmと非常に大きく太く低い音が特徴的。
フレットはなく
一般的な調弦はエレキベース同様、1弦から順に G(ソ) D(レ) A(ラ) E(ミ) である。
エレクトリックベースとの大きな違いは
エレキベースがピックや指で演奏するのに対して
ウッドベースは馬の尾の毛で作られた弓を使って演奏される。
(奏法によっては指を使うこともよくある。)
記譜の際にへ音記号で書かれるが
演奏する実音は書かれた音より1オクターブ下の音で演奏する。
ルパン三世のテーマを演奏されている動画は数多くありますが
コントラバス5人でのカルテットはこの動画だけではないでしょうか?
豊かに響く低音域の倍音が心地よいです。
アップライトベース
概要
エレクトリック・アップライトベースとも呼ぶ
イメージとしてはエレクトリックベースとウッドベースを足して2で割ったようなベース。
日本語に訳すと“電気式で直立の”ベースとなるがエレクトリックベースとの大きな違いは
弦が鉛直方向に貼られている所にあり、フレットは付いていません。
アンプを通しますが演奏する際は立てて音を鳴らします。
特徴
上に書いたように音の特徴はウッドベースとエレクトリックベースを
足して2で割ったようなイメージ。
大きな特徴であるボディの構造は
◯ソリッド・ボディ
全体がネックと一続きの一本の棒のような形状なもの
生弦楽器に近いふくよかで太い音で独特のアタック感がある。
◯ホロウ・ボディ
共鳴胴によって生音(弦の振動を胴内で増幅し鳴る音)の発音を可能にしているもの
しっかりした生音が出せるがウッドベースほど出音が大きくない。
ジャンル
ジャズやアコースティックスタイルなど
日本を代表するアップライトベース奏者といえばこの人。
ザ・ドリフターズのいかりや長介氏。
今の若い世代の人の中にはドリフターズって楽器弾くの?って人も多いかもしれませんが
ビートルズ来日公演の前座もつとめていてそれぞれが一流のプレイヤーですからね。
是非聴いてみてください。
終わりに
いかがだったでしょうか?
ベースと一言にいっても様々な種類がありますよね。
それぞれの音の違いを知ることで自分が曲を作る際にどのベースを選んで
どのようなフレーズ選びをすればいいのかが見えてくると思います。
また別の記事でベースの奏法と打ち込みによるアレンジテクニックなどをご紹介したいと思います。
それでは。
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