【DTM】生っぽい!リアルなベースの打ち込み方法【アレンジテクニック】

 

まるで生のサウンド、リアルなベースの打ち込み。

 

DTMでは生の音を収録し再生する「サンプラー音源」

生楽器の発音構造や共鳴構造をコンピュータ上で音色を仮想的に合成して音を出す

「物理モデル音源(別名:DSP音源)」などがあります。

 

それにより今ではソフトウェア音源を使ってまるで生のような楽器のサウンドを

DAW上で鳴らす事ができます。

 

しかし、そのまま音を打ち込むだけでは表情や感情のない真っ平らなサウンドになってしまいます。

これを「ベタ打ち」と言いますが

 

DTMでは作り手がこの打ち込みによって音に表情を付けてあげる事で

人間が生で演奏しているようなリアルな演奏を再現する事ができます。

 

 

今回は弦楽器である「ベース」について

その演奏法とリアルな打ち込みによるアレンジテクニックをご紹介します。

 

 

ベースの奏法と打ち込みによる再現・表現付け

 

今回は、短い4小節のベースフレーズを用意したのでこちらを例に

ベースの演奏法とDTMでの打ち込みによる再現方法を解説したいと思います。

 

まずこちらを上の図のように打ち込んだ完成形を聴いてみてください。

・4小節ベースフレーズ ALL Part (ドラム&ベース)

 

 

シンプルなこのフレーズですが、

ベースの基本的な奏法と音の表現付けがされているのでご紹介します。

 

 

スラップ奏法

 

 

楽器に触れたことのない方でもこの演奏法は聴いたことがあるのではないでしょうか?

 

別名チョッパーとも呼ばれるこのスラップ奏法は

右手の親指で弦を叩くように音を鳴らすサムピング

右手の人差し指や中指で弦を引っ張って指板に打ち付けるように音を鳴らすプルがあります。

 

スラップ誕生の由来
ラリー・グラハムというミュージシャンが低音弦を鳴らすサムピングをバスドラム、高音弦を鳴らすプルをスネアに見立てて演奏したのが始まりと言われているが諸説あるようです。

 

叩くと表現したように非常にパーカッシブな演奏法で

ファンクやフュージョン、ロックまで幅広いジャンルで使用されます。

 

 

今回例に出したフレーズでも終始スラップベースが使用されており

スラップ特有のサウンドが得られています。

 

スラップとそうでないサウンドを比較して聴いてみましょう。

 

・ピック弾き

・スラップ奏法

 

 

どうですか?

プルによる高音弦の響きに特徴がありますよね。

 

 

打ち込み方

 

気になる打ち込み方ですが、

スラップベースの場合はあらかじめベースの音色を選択する際に

 

「ピックベース」「フィンガーベース」「スラップベース」「フレットレスベース」

 

と分かれている事が多いのでベースの音色をスラップベースで選択すれば

大方スラップの音色になります。

 

なのでスラップに関してはコレといった打ち込み方はありませんが、

スラップ奏法のサムピングプリング、この後に紹介するゴーストノート

の理解を深める事で格段にかっこいいベースラインを演奏できます。

 

参考になる動画を紹介しますのでぜひご覧下さい。

 

 

 

ゴーストノート

 

 

続いて紹介するのが

ベースに関わる上で欠かせないゴーストノート。

 

 

これは先ほど紹介したスラップを打ち込む上でも欠かせない奏法です。

 

 

それでは何かと言うと名前から想像できるように

音程にならない音、装飾音の一種です。

 

主にギターやベース、ドラムでリズムを際立たせたり

グルーヴィーなノリを出す為に用いられる奏法です。

 

試しにこのゴーストノートを抜いた状態の音を聴いてみましょう。

 

・ゴーストノートなし

 

続いて、ゴーストノートを使った演奏も聴いてみてください。

 

・ゴーストノートあり

 

 

わかりましたか?

 

「プツッ」「タッ」っといった細かい音程のない音が

パーカッションのように入る事でベースのノリが増しましたね。

 

これがゴーストノートです。

 

仕組みとしては、

左手で音をミュートした状態で右手で弾いたサムピングのアタック音や

左手で弦を叩くようにして音程のないゴーストノートを生み出します。

 

休符が非常に生きる奏法なので

別の記事で紹介したグルーヴィーな楽曲達にもよーく聴くとこのゴーストノートが使われています。

 

ぜひこちらの記事も合わせてご覧ください。

 

音楽を空間でとらえる / 空白の美学

 

 

打ち込み方

 

それでは気になる打ち込み方ですが、

まずキースイッチを使った打ち込み方。

 

キースイッチにゴーストノートがあるベース音源の場合

キースイッチのある鍵盤に音を入力しベロシティー(音の強弱)でゴーストノートの強弱を調整します。

 

32分音符などの細かいノートを休符のの8分裏や16分裏などに打ち込む事で

細かいノリを出すことができます。

 

耳で聴きながら心地のいい箇所に入れてみましょう。

 

 

 

もう一つはベロシティーを使って打ち込む方法。

打ち込みの基本でもあり音の強弱を調整するベロシティーを使って再現ができます。

 

というのもこちらもベース音源によりますが、

スラップベースの音源の中にはノートのベロシティーを低く設定すると

強いアタック感のあるゴーストノートの音になるよう自動で設定されているものも多いです。

 

 

なので、あなたの使用しているベース音源が

キースイッチによってゴーストノートを再現できるタイプのものなのか

ベロシティーで打ち込むことができるものなのか確認し知っておきましょう。

 

 

 

スライド

 

 

スライドという奏法について解説します。

コレは名前の通り音を半音、または全音下から滑らかに音をスライドさせて

音や演奏に変化を付ける奏法です。

 

先ほど紹介したベースフレーズの6〜7秒あたりの音がスライド奏法です。

 

例えばこう打ち込んだとします。

 

2つの和音がなっています。

 

このままだと半音下から上の音に行く時に

指またはピックでいちいち音を鳴らしていて演奏者側からすると面倒でつまらない演奏になってしまいます。

 

これを半音下からスライドさせて音を滑らかに繋ぐことによって

演奏の表現の幅を広げてあげましょう。

 

打ち込み方はソフト音源によって違いはありますがこうです。

 

スライドさせたい部分

今回は半音下の音から次の音へ音をかぶせるように打ち込みます。

 

するとこうなります。

 

 

変化がわかりますか?

 

言葉で伝えるのは難しいのですが

スライドしてない方は右手で2回、弦を弾いているので「ドゥッドゥドゥー

 

となる所が、

スライドしている方は左手の指で音を繋いで出しているので「ドゥッドゥ ゥー

となる感じです。

 

比較して何度も聴いてみてください。

 

・スライドしてないVer.

 

・スライドしているVer.

 

 

 

それともう一つ。

 

スライドにはグリスアップグリスダウンという通称「グリッサンド」

と呼ばれる奏法があります。

 

これは先ほど紹介したスライドとは違った使い方で

ベースを弾き始める小節前や、弾き終わりの終始音で使ったりします。

 

 

グリスアップ

 

グリスダウン

 

 

聴いた事ありませんか?

今回例に出したフレーズの冒頭でもこのグリスダウンが使われていますね。

 

打ち込み方

 

こちらも使用するベース音源によって大きく分けて2つ。

 

・キースイッチ部分にグリスダウンやグリスアップの音が設定されている。

 

・上記スライドのようにノートを重ねて再現する。

 

です。

キースイッチに関しては設定されている鍵盤にノートを打ち込むだけです。

 

もう一つのノートを重ねる事でスライドが再現できる音源では、

グリスアップ・グリスダウンさせる始めの音から終始する音にノートを重ねましょう

 

ここで重要になってくるのがスライドする際のスピードです。

 

早くスライドするのか、ゆっくりスライドさせるのか。

ここを設定するのが先ほどベロシティーを調整した部分です。

 

スライドで終始する音のベロシティーを高くすると早く、低くすると遅くなります。

(※ソフトによって違う場合もあります。)

 

早い話、自分の使用しているベース音源のマニュアルを確認すれば書いてあります!

 

 

 

 

ハンマリング・オン/プリング・オフ

 

 

最後に紹介するのがこの

 

・ハンマリング・オン(別名ハンマーオン)奏法

ハンマリング・オン
ピッキングして音を出すのではなく指を叩くように ポジションを押さえる事で音を出す奏法。

 

・プリング・オフ(別名プルオフ)奏法

プリング・オフ
ハンマリング・オンの逆で指で弦を弾くようにして音を出す奏法。

 

の二つです。

この奏法も2つの連続する音を滑らかに繋いで演奏するスライドによく似た奏法です。

 

 

まず、ハンマリング・オンとプリング・オフを使った演奏を聴いてみましょう。

 

 

・ハンマリング・オンとプリング・オフを使ったベースフレーズ

 

さて、どこに使われていたか分かりましたか?

 

実は上の図にもあるようにフレーズの頭から

ハンマリング・オンとプリング・オフが両方使われています。

 

・フレーズ頭

 

このように奏法の性質上、

ハンマリング・オンは下から上の音

 

プリング・オフは上から下の音

を滑らかに繋いで鳴らす際に使われます。

 

 

 

ちなみにこのハンマリング・オンとプリング・オフを使って連続する音を鳴らすと

トリルという奏法になります。

 

・トリル奏法

 

 

 

打ち込み方

 

それでは打ち込み方の解説にいきたいところなんですが、

実はこれらの打ち込み方は、スライドと一緒です。

 

 

スライドとプリング・オフは打ち込み方は同じなのですが

指の動かし方で奏法が変わってきます。

 

実際に演奏すると上の図のスライド部分はプリングするには厳しいので

スライドで演奏するのが正解です。

 

 

打ち込みのコツとしては

ハンマリングやプリングした時の次の音は音量が

多少、減衰するのでベロシティーを下げて打ち込んであげるとそれっぽくなります。

 

特に、トリル奏法は音量を減衰させる方がリアルになります。

 

 

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圧倒的な34GB以上のコア・ライブラリーと演奏の再現度の高さ。

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視覚的な見やすさと直感的な操作が魅力的なベース音源。

現在は僕もこちらを愛用しています。

 

※この記事に使用したデモ音源は別音源です。

 

まとめ

 

いかがでしたか?

 

正直なところ各奏法の理解と打ち込み方に関しては

文字だけでは100%伝えにくい部分があるので、今後は動画で細かい部分の説明まで出来ればと考えています。

 

ベースという楽器はギターやピアノ・ボーカルに比べると目立たない楽器のように思えますが

実はすごく重要な役割を果たす楽器で、曲作りでベースを適当に打ち込むと一気にダサくなります。

 

 

逆にベースをしっかりしたクオリティーで打ち込むことが出来るようになると楽曲にメリハリが出て

クオリティーが上がるので、しっかり習得しましょう。

 

また、オススメのベース音源の紹介もしたいと考えているので少しお待ちください。

 

 

それでは。

 

 

ここまで読んで頂きありがとうございます!!みんなでエロいベースラインを量産しましょう!

Yushi

 

 

2 Comments

Tanks

こちらとても参考になりました。
スライドの打ち込みについて質問がございます。
半音全音でのスライドの場合ご提示頂いてる方法かと思うのですが、全音以上音階が離れていた場合も同じ方法でよろしいのでしょうか?
それとも別の方法があるのでしょうか?

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yushi

コメントありがとうございます。
ブログを運営しておりますYushi(中島ユウシ)です。

全音以上音階が離れていた場合も同様です。
記事内にも書いたようにソフトウェア音源によって打ち込み方が違う場合があり、例えばKompleteシリーズに収録されていることで有名なScarbee MM-Bassなどはピアノロールの「E0/A0/D0/G0」のキースイッチで各弦を指定した上で同じようにノートを重ねて打ち込むとスライドになったりします。他にもオートメーションでピッチ(音程)に変化をつけて表現したりする場合もあります。
ちなみに全音以上のスライドで音の始点・終点どちらかしか決まっていない場合のスライドのことをグリッサンド(グリスダウン/アップ)と呼んだりします。

お使いのベース音源でお試しいただいて当てはまらないようであればその製品の仕様や機能について調べてみると出てくると思いますので参考にしてみてください。

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